【劇場版】コードブルー・ドクターヘリ救急救命の映画のあらすじとネタバレ！全力で感想をお伝え

藤川は浮かれていました。

乗り気でなかった冴島をやっと説き伏せた挙式を数日後に控えていたのです。

そんな時に成田空港で乱気流による事故が発生したとの一報が入り、白石らがヘリで駆け付けると、運び出された患者の手に、すでにトリアージの跡が残されていました。

赴任するトロントへの下見から戻った藍沢が、偶然その場に居合わせたのです。

藍沢が当該機から抱えて降りてきた女性は、ケガをしていましたが、それ以上に重症の末期がんを抱えていました。彼女、未知は結婚目前に病気が発覚し、最後の旅を楽しもうとしていた矢先の事故でした。

未知は、婚約者の彰生に負い目を持たれたくないという思いで身を引いたのです。

冴島の過去を知った未知は、訪ねてきた彰生を受け入れ、改めて結婚式を行おうと決意しましたが、それまで生き延びられる保証がないことに気づいた冴島は、藤川に『自分たちの結婚式を譲ろう』と提案するのです。

車いすの花嫁となった未知は、彰生と幸せそうに微笑んでいましたが、吐血して搬送されてしまいます。

その指には結婚指輪があり、冴島たちはその気遣いが無駄にはならなかったのだと知るのです。

その処置が始まった時、事故の一報が入ります。

濃霧の海ほたるにカーフェリーが激突し、多数の負傷者が出た、というのです。

未知のことを橘らに託し、藍沢と白石、そして雪村が海ほたるへと飛びました。

大混乱の事故現場で藍沢らが託されたのは、車のシートでパイプに腹部を貫かれた男性でした。

ガソリンが漏れている状態で火花が出る工具を使えず、藍沢はわき腹を切ってパイプを外すという決断を下します。

フェローたちが合流し、状況が終息すると思われた頃、藍沢はフェリーの船内で漏電に見舞われて浸水部分へと落水してしまいます。

回復に時間がかかった彼の意識が戻った時、そこにいたのは白石でした。

それからしばらくして、藤川と冴島が『患者が急変した！』と橘にけしかけられて外に飛び出すと、そこではサプライズのウエディングパーティが準備されていました。

ウェディングドレスを持つ緋山、そしてタキシードを手にした藍沢が待っていたのです。

自らの結婚式を未知らに譲った二人に、救命センターの皆が手作りのパーティを企画したのです。そこには、二人分の指輪をつけた彰生の姿もありました。

橘が藤川に渡したのは、この救命センターを立ち上げた田所部長からの心のこもった手紙でした。

間もなく、藍沢がトロントに旅立ち、緋山が周産期医療センターへ移っていく日がやってきます。

そんな時でも、救命センターはいつも通り、あわただしい時間がながれているのでした。

１０年見てきて良かったーーーーー！と思いました。

初々しかったフェローたちが、今ではこんなにも頼もしく、また、その背中を見てきた次世代フェローたちも数か月の間に随分と成長しました。

3rdシーズンの最終話で藤川が『最初はどうなることかと思った』と言っていましたが、修羅場が彼らを育ててきたのだな、と思いました。

長いシリーズだからこそ、なのでしょうが。

冴島や藍沢が背負う過去がベースにあり、それが未知や雪村の今を励ます、その物語の重みがずん！と伝わってきました。フェリーの中で、パイプに串刺しになった父親の前で、かつてその虐待から逃れたのだと語った男性に対しての藍沢の『子供なのに、よく逃げた！』という力強い肯定は、彼でなければ言えない言葉だったと思います。

あの場で、確かに藍沢と言う人は誰よりもリアルに生きていました。

そんな彼を見られたこと自体がとても幸せだったと思っています。

そして、田所先生のハガキが嬉しかったですね。

演じていらっしゃった児玉清さんはずいぶん前に亡くなりましたが、こんな形で存在してくださっているのが、ファンとしては最高のプレゼントだったと思います。

藤川や冴島へのはなむけだけでなく、当時のフェローたち皆にあてた手紙があったのも、嬉しい心遣いでした。

そんな物語の終焉は、白石が撮った結婚式にむけた皆のお祝いメッセージのビデオという、最高のサプライズでした。

そして藍沢が笑っている記念写真。

10年の間に積み重なった、役を超えたキャストさん同士の絆がしっかりと伝わってくるような温かいエンドロールの数分間でした。

いつかまた彼らの姿が見られると良いなぁ。

10年後に、フェローたちが今の藍沢たちのポジションくらいに成長したら、4thシーズンとかやらないかなぁ、と勝手に期待しています。

とりあえず公開期間中にもう一回は見に行くつもりです。

あの迫力は、大きなスクリーンで見ておかないともったいないと思うので。